カレイなる日々

華麗な加齢を目指していますが?。最近は残りの時間があまり多くはない親とのかかわりを中心に書いています。

母の物語

母は北海道の浦河という所で生まれ育ちました。

裏に小さな畑のある家で

猫もいたけれど今と違って、鼠対策でただ、そこにいるだけの存在だったそうです。

高校を卒業して、しばらくは地元で働いていたようでしたが

上のお姉さんたちのように、東京行きを夢見るようになり

看護婦(当時)さんをしていたお姉さんと同居しながら、東京でトレーサーに。


けれど、何年かすると、口うるさいお姉さんとの同居生活に疲れてしまったようです。

そろそろ実家に戻ろうかと思っていると

降って湧いたように見合い話が。

仕事場でも、別の人からジリジリアプローチを受けていたそうです。


お見合いに行くと、つぎはぎのあたった服を着た、

どう見ても母の好みとはほど遠い6歳年上の男性が。


もちろん、すぐに断ろうと思ったそうです。


ところがつぎはぎ紳士は、思いのほか積極的。

仕事場のジリジリと近づいていた男性は、見合いをしたことを知って一挙に撤退。


母もお姉さんとはもう一緒に暮らしたくないし、

また田舎に帰るのもねーと24歳なので、安易に考えてしまいました。

そしてつぎはぎ紳士と結婚。

ちなみに結婚したとたん、つぎはぎ紳士の勤めていた会社は倒産。

なんだか、詐欺みたいな話ですね。


その後、どーなったのでしょうか?



そして、今、私がこれを書いているというわけです。

いろいろあったようですが、まあまあ幸せな結婚生活だったようですよ

朝が怖い

父の死を境に、母の老化が一挙に進んでしまったかのようです。

食欲をなくし、

「もう近いかも。予感がする」

と呟いたりしています。


どう答えていいのかわからなくて

話題を変えてしまう私。


実家で朝、目をさますと

かつては父が早起きをして新聞をバサバサ読んでいたことを思い出し

もうそれがないことにタメ息をつき

おそるおそる母の部屋へ。


そーっとドアを開けると

実は明け方くらいからラジオを聴きながら目はさましている母が

「大丈夫よ」と答えます。


はーっ。

安否確認がリアルになってきた今日この頃です。

母たちの流儀

母には、三十年以上つきあいのある、トリちゃん(仮名)というお友達がいます。

一緒に旅行もよく行っていたようです。


なんとなく母の方から、

お葬式はお通夜のない本葬だけの式でいいとかいう話になり


じゃあ、トリちゃんもお呼びするね、と私が言うと

母「呼ばなくていいから。お互いそういうのしないことに決めているから」

私「来る来ないは別にして、お知らせはするでしょ?」

母「ダメダメ」

私「え、じゃあ、たまたま電話がかかってきた時に、伝えればいいの?」

母「そうそう」


まー、なんてドライなんでしょう。


でも、だから長くつきあってこられた、と母。

なかなかそれがいい距離感みたいです。