カレイなる日々

華麗な加齢を目指していますが?。最近は残りの時間があまり多くはない親とのかかわりを中心に書いています。

人間観察トレーニング



実家のことでは、ある事業所のサービス提供責任者さんを信頼していたのです。

介護保険制度外の自費サービスもその人にお願いしていました。

別に相手に要求されたわけではなく、合鍵を渡しておいてもいいかもしれないとまで考えたことがあります。それは実行しませんでしたが。


ところが、その人は挨拶もなく退社していたのです。

経営者にはちゃんと退社届けを出して転職したようですが、次の人の話では引き継ぎもロクにしないで辞めていったのであちこちの皺寄せが来て大変とこぼされてました。

ウチの実家の自費契約のことも聞いていないし、契約書も見当たらないと言われて愕然としました。別に何か金品を取られたわけではありませんが、背筋に寒気が走りました。


いかにもちゃらんぽらんそうな人が挨拶もなく辞めていっても、なんの驚きもありませんが(そもそもそういう人には何も頼みませんが)、まったくそのように見えない人だったので、ギャップに混乱してしまいました。

親のことも小馬鹿にされたようで腹が立ちました。


周囲の人達にこの件を愚痴ると、非常識な人っているからね、と概ね私に同情してくれたのですが、二十年以上のつきあいのあるスパイス子(仮名)だけは違いました。


「そいつが、もしも詐欺師だったら、コーヒーおかわりは、まんまと騙されているよね」

「本物の詐欺師に出会ったら、山の中でクマと真正面から出くわしてしまうもんだ。無傷でいられる方が奇跡」

「これからご実家の舵取りもしていくんでしょう、いい人ばかりに囲まれているとわかんないこともあるよ」


辛口キャラでムカつくことも多いスパイス子ですが、妙に納得してしまいました。


私が一番ショックを受けているとしたら、実務上のことよりも(それはただ次の人にお願いすればいいだけのことなので)、信頼していた人がそうではなかったということにです。


よく詐欺のニュースなどを見ると「なんでそんなに簡単に騙されるんだろう」と他人事なので思いますが、その立場に立っていたら私も騙されるのだろうと思います。

テレビなどで詐欺に遭った人が「直感で感じた疑問を大切にして」と訴えていますが、それもわかる気がします。

私も会話の中で「あれ?」と思うことがありましたが、なんと、私自身が「この人は信頼できるんだから」と疑問を踏み潰していたのです。


今後への教訓ですね。